FC2ブログ

夢幻怪奇線の試読用です。

2018年、8月26日に大九州東方祭で頒布予定の、秘封倶楽部と東方深秘録の二次創作小説、夢幻怪奇線の試読版を掲載します。本編で言うと最初の2~3ページ分くらいに当たります。ジャンルにホラーが含まれますので、怖いのが苦手な方はご注意下さい。

以下本文

 とある大学の図書館。日もだんだんと高くなり始めた頃に、宇佐見蓮子は息を上げながらその図書館の一室を目指していた。
「ごめん、ちょっと遅刻した」
蓮子は申し訳なさそうに片目を閉じた。
「もう、誘ったのは蓮子でしょう?それにちょっとじゃないし」
マエリベリー・ハーン(メリー)は、本を広げたまま、蓮子をじっとりとした目で見つめた。
「それで、わざわざゼミの休みに図書館に呼び出したりして、何なのよ?」
「ちょっとメリーに見て欲しい本があってね」
蓮子はバッグから1冊の怪しげな本を取り出した。その本にはいかにもおどろおどろしいフォントで、“インターネットオカルト大百科”とタイトルを付けてあった。
「オカルトねぇ。今更こんな本見なくても、私自身がオカルトの塊みたいなもんじゃないの?」
メリーには不思議な力があった。夢の中で別の世界を旅し、そこから物を持ち帰って来る事も出来るような能力である。最近は、その世界を他人に見せる事さえ可能になっていた。
「私が見て欲しいのは、オカルトの中でも都市伝説って呼ばれる物よ。もう随分前になるけど、インターネット上で多くの怪談が生まれたの。大昔から語り継がれてる妖怪とかの類じゃない、現代怪談とも言うべき代物ね」
蓮子はページを捲りながらメリーに解説を始めた。
「都市伝説というと、口裂け女とか、トイレの花子さんとか?」
「そう、でもそれは昔から語り継がれて、今でも残ってる怪談ね。このインターネット上の怪談は、一時期凄く流行ったんだけど、あっという間に世間から忘れられて行ったわ。でも、良く出来た話も多かったから、こうやってオカルトの本に名を残す事が出来た怪談も有るって訳よ」
「へぇ、色々あるのね。八尺様、くねくね、きさらぎ駅、猿夢……。結構怖いのが多いわね」
メリーはあまりこういう話は得意ではない様子だった。
「さっき自分自身がオカルトの塊だって言ってたじゃない。なのにこういうのが怖いの?」
「仕方ないじゃない、自分がオカルトなのとそれは別問題よ。ところで、このインターネット怪談がどうしたって?早く本題に入ってくれないかしら?」
メリーがそう言うと、蓮子は神妙な面持ちになって、少し呼吸を整えた後、静かに口を開いた。
「メリー、この最後の怪談、猿夢なんだけどね。昨日まで書いてなかったの」
「えっ?」
蓮子の発言にメリーは驚きを隠せなかった。そもそもいくつかの怪談を読んで恐怖の土台が形成された所にこの話である。メリーはこの話が一瞬冗談かとも思ったが、蓮子の余りに真剣な表情に、信じざるを得なかった。
「どういう事?昨日までこの猿夢ってページ自体が無かったの?」
「うん、というよりもね、私もこの本の事は昔から知ってたんだけど、猿夢って怪談の事は知らなかった。当然よね、載ってなかったんだもん。それに、これを見て」
蓮子は携帯端末を取り出し、表示されるサイトを指でスライドさせながらメリーに見せた。

以上試読版

 これを読んでご興味を持たれた方は、是非当日よろしくお願いします。なお、東方蘇精音と違い増版は容易なので、欲しい方はブログのコメント欄か、NRTのTwitter(@ntaka82559946)までご連絡いただければ、個別対応致します。
スポンサーサイト



検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR